最終更新日: 2024年2月19日

2021年頃から市場が急拡大しているNFTゲームですが、当社にもNFTゲームのテストのご相談が増えています。この記事では、今後も市場が伸びていくと予想されるNFTゲームの概要や特徴についてあらためておさらいし、テストを行う際の注意点などを解説していきます。

NFTゲーム(ブロックチェーンゲーム)とは

NFTゲームとは、暗号資産の基盤技術であるブロックチェーンを使用してデジタルアセットを取り扱うゲームのことです。
NFTとは非代替可能トークン(Non-Fungible Token)の略で、独自の特徴を持つデジタル資産を表現するための暗号化トークンです。

従来のゲームでは、プレイヤーが所有するアイテムやキャラクターはゲーム内での利用に限られ、他のゲームやプラットフォームで流通することはできませんでした。しかしNFTゲームでは、ゲーム内のデジタルアセットがNFTとして発行され、ブロックチェーン上でトークン化されます。トークン化とは、資産を売買可能なデジタル単位へ変換することを指します。複製、代替不可能なトークン(NFT)に変換されることで、それらの価値が保証され、ゲーム内やマーケットプレイス内で取引される資産とすることができるのです。

NFT、ブロックチェーンとは

NFT、ブロックチェーンについてもう少し詳しく解説していきます。

NFT(Non-Fungible Token)とは、前述したとおり「非代替性トークン」とも呼ばれる新しいタイプのデジタルアセットです。Bitcoinやイーサリアムなどの通常の仮想通貨は、同じ通貨単位同士で互換性があり、同じ価値を持っているため、現金と同じように「代替可能」(Fungible)です。一方、NFTは他のトークンとは異なる特定のデジタルアイテムを表しており、固有のアドレスが割り振られているため、他のものに代替することができません。これにより、NFTは個別のアート作品、音楽、ビデオクリップの他、ゲームアイテムなどのデジタルデータの所有権を確立するために使用されます。これまで、デジタルデータは容易に複製可能だったため、ネット上の写真やデータは価値を持ちませんでしたが、NFTの登場により、唯一無二の価値を証明することができるようになったのです。

ブロックチェーン(Blockchain)は、デジタル情報の取引や記録のための分散型データベース技術です。ブロックチェーンは、複数のコンピュータ(ノード)で構成されるネットワークによって管理されます。このネットワークは、取引情報をブロックと呼ばれるデータのまとまりとして記録し、それらのブロックを連結して鎖(チェーン)を形成します。各ブロックには、過去のブロックへの参照(ハッシュ)やタイムスタンプなどの情報が含まれています。仮にデータを改ざんしようとした場合、それより新しい取引についてすべて改ざんしていく必要がある仕組みとなっているため、データの改ざんや破壊が極めて難しいと言われています。また、ブロックチェーンの取引は公開され、ネットワーク参加者はそれを閲覧することができるため、情報の改ざんや不正があった場合は容易に検知されます。このようにブロックチェーンは、取引の透明性、セキュリティ、信頼性を高めることができることから、様々な分野への応用が広がっています。

NFTゲームの特徴

ではあらためて、NFTゲームの特徴をみていきましょう。

ゲーム内で経済活動を行うことができる

NFTゲームの最大の特徴は、ゲーム内で経済活動を行うことができる点です。NFTゲームでは、プレイヤーがゲーム内で取得したアイテムやキャラクターなどを所有することができます。これらのアイテムはNFTとして発行され、プレイヤーはマーケットプレイス内で自由に売買や交換を行うことができるのです。

またゲームによっては、プレイの報酬として仮想通貨やNFTを獲得し、それらを売却して稼ぐことも可能です。最近では、プレイしてお金を稼ぐ(Play to Earn)だけではなく、運動して稼ぐ(Move to Earn)ものや、睡眠をして稼ぐ(Sleep to Earn)ものなど様々なタイプが登場しています。

アイテムを保有し続けることができる

冒頭でも述べましたが、従来のゲームでは、開発会社などが中央管理者となってゲームを管理していたため、サービスが終了すれば獲得したアイテムは消えてしまい、保有し続けることはできませんでした。一方でNFTゲームでは、分散管理の仕組みを持っているため、ゲームのサービスが終了しても、資産としてキャラクターやアイテムを保有し続けたり、互換性のある別のゲームで使用したりすることが可能な場合があります。

ただし、NFTとして所有しているアイテムやキャラクターの価値が保たれるかどうかは、市場の状況やそのアイテムが他のゲームで利用できるかどうかなど、多くの要素に依存しますので注意が必要です。

チート行為が起きにくい

従来のゲームでは、コードの改ざんなどによってプレイヤーが自分に有利になるようにゲームを進めるチート行為が問題になっています。この点、NFTゲームは、前述したとおり、データの改ざんや破壊が極めて難しいと言われるブロックチェーン技術を基盤にして作られているため、チート行為が起きにくくなっています。

ただし、多くのNFTゲームは、設計上、ゲームプレイ自体はブロックチェーン技術を用いず、従来のゲームと同じくサーバーサイドやクライアントサイドで行われることが多くなっています。これらの部分はブロックチェーン技術の保護範囲外であり、従来のゲームと同じようにチート行為の対象となり得るため、注意が必要です。

NFTゲームのテストを行う際の注意点やポイント

これらの特徴をもつNFTゲームですが、テストをするにあたって、注意点やポイントなどはあるのでしょうか。

別のものという先入観を排してテストを行う

売買ができるというゲームの特性上、決済まわりなどのテスト幅が広くなっており、外部ウォレット連携などアプリ外との連携などのテストが別途発生しますが、ゲーム部分のテストについては他のゲームテストとほぼ変わりません。そのため、別のものという先入観を排除して、テストに臨むことを推奨しています。仮に別のものという思い込みで着手した場合、平時では検知できるものを見落としてしまうなど弊害が生まれてくる懸念があるためです。

ユーザーテストに注力する

一方で、注力する必要があるのが、ユーザーテストです。NFTゲームの趣旨として、「稼ぐ」ことに直結している作りになっていることから、手軽さに重点を置き、いかに回数=稼ぎをこなすかというゲーム性になっていることが多い傾向にあります。飽きさせない演出などの継続性と、回転率を上げるための単純性、効率化といった真逆とも思える要素を内包させなければならないジャンルであるという特性があるのです。そのため、ユーザーテスト、ユーザーレビューなどを行い、どちらかに偏りすぎていないかなどの検証を適宜行っていくことをお勧めしています。