クオリティの高いゲームは国境を越え、いろいろな国で遊べるようになっています。ローカライズとは、ゲームを他の国で遊べるようにするための作業です。

ただし、ローカライズはいわゆる「翻訳」作業とは一線を画します。他社へ依頼する際もポイントを押さえておかないと、工数やコストが増えてしまうので注意しなくてはなりません。

この記事では、ローカライズとは何か、ローカライズをする際に考慮すべきポイント、他社へ依頼する際のポイントを解説します。自社でゲームのローカライズをする必要が生じた際は、この記事を参考にしてください。

ゲームのローカライズとは


ゲームのローカライズとは、ゲームを別の国でプレイできるように、ゲームの世界観やゲームルールに合わせて翻訳する作業です。

昨今では、1つのゲームタイトルが世界中でプレイされています。たとえば、日本のゲームをそのまま海外に出しても、日本語のわからない方は遊ぶことはできません。ゲームを他の国でプレイできるようにするためには、ローカライズが必要となるのです。

翻訳との違い

ゲームのローカライズとよく混同されるのが翻訳です。翻訳とローカライズは作業がかぶる部分も大きいですが、作業範囲が異なります。

まずゲームにおける翻訳とは、ゲーム内の言語を他の言語に変更する(翻訳する)ことに限った作業です。翻訳においては基本的に、ゲームの世界観やゲームルールといった概念は考慮に入れられません。一方、ローカライズとはゲームの仕様・世界観・ゲームのルールに従いゲーム内の言語を別言語に変更する(翻訳する)作業となります。

ゲームの言語を単純に翻訳するだけでは、ゲームの世界観などに合わないケースも少なくありません。そこでゲームのローカライズが必要となるわけです。

カルチャライズとの違い

ゲームのローカライズと混同されやすい作業として、カルチャライズもあります。ローカライズとカルチャライズは、明確な境界線があるわけではありませんが基本的には異なる作業です。

カルチャライズとは、ゲームを販売する国の文化やその国のルールにゲームを合わせる作業を指します。ゲームのカルチャライズにおける作業は、言語の変更(翻訳)にとどまりません。その国の文化に合わせゲームの一部を修正したり、仕様自体を変更したりすることもあります。

たとえばアラブ文化圏では、お酒やドラッグ、ギャンブルに関わる内容はNGとされます。ゲームの内容によっては、アラブ文化圏に受け入れてもらうためシーン自体の大幅な変更が必要になる可能性があるわけです。ゲームのカルチャライズでは、その国特有の文化に関わるチェックが行われます。

ゲームをローカライズするときに考慮するポイント

ゲームのローカライズに関する概要をみてきました。それでは実際にゲームのローカライズをする際は、具体的にどのようなポイントを考慮すべきでしょうか。以下、主なポイントを紹介します。

その国の文化やタブー

ゲームのローカライズでは、対象の国にゲームを受け入れてもらえるようにその国の文化やタブーにも気を付ける必要があります。

たとえば、英語圏のキャラクターが使うような罵倒表現は、国によっては文化的に受け入れられません。タブー(禁句)として処理されることもあります。そのため対象の国で受け入れられるような表現に書き換える必要があるのです。

ゲームの世界観

ローカライズでは、ゲームの世界観を壊さないように作業を行うことが必要です。たとえば荒々しい性格のキャラクターに、丁寧な言葉を話させてしまったらゲームの世界観が壊れてしまいます。ゲームのローカライズでは、ゲームの世界観に合ったかたちで翻訳する必要があるのです。

その地域や国独自の捉え方を入れつつ、元の意味や世界観も失わずにローカライズすることは高度な作業ですが、できる限り近づけることで、ゲームの品質をより高めることができます。

ゲーム本体のシステムメッセージ

ゲームにおいてはゲームのストーリー内だけでなく、ゲーム本体におけるシステムのメッセージもローカライズが必要です。

たとえば、「●GB以上のストレージが必要」というシステムのメッセージがあるとしましょう。今の日本では「ストレージ」という言葉も一般化していますが、以前は普及していませんでした。

そこで「保存先の容量」のように、ストレージという言葉が一般化していない国でも理解しやすい言葉にする必要があるのです。

なおシステムメッセージは、プラットフォーム(Switch/PS5/XBOX SERIESなど)によって表現の仕方が異なる場合もあります。ローカライズでは、そういったプラットフォームの違いについても意識することが必要です。

画面表示や台詞の尺

翻訳したときに、言語によって文字数や台詞の長さ変わるケースも少なくありません。

たとえば英語では5行のメッセージが、日本語に訳すと6行以上になったとします。その上で6行以上にすると画面をはみ出してしまうような場合は、スクロールバーを追加したり、2ページに構成したりするなどの工夫が必要です。

また英語で3秒の尺が必要な台詞が、日本語に直すと2秒で終わってしまうといったこともあります。この場合、尺にあわせた台詞にしたり次の尺に合わせた台詞を追加したりといった作業が必要になるわけです。

LQA(Linguistic Quality Assurance)とは

LQA(Linguistic Quality Assurance)とは、直訳すると「言語品質保証」となります。ゲームのローカライズにおいてLQAとは、あらかじめ取り決めたレベルまで翻訳の品質を保証することや、そのための作業を指す言葉です。

ゲームのローカライズにおけるLQAでは、以下のチェックを行います。

・翻訳のテキストに問題がないか
・指定したテキスト番号通りに翻訳が実行されているか

さらに翻訳されたテキストを実際にゲームへ組み込んだ上で、テスト項目や翻訳リストに従いテストを実行し品質を確認するのです。

ローカライズを第三者に依頼するときのポイント

ローカライズを他社に依頼するパターンは、大きく分けて以下2種類があります。

①翻訳は翻訳会社に、LQAは別の会社に依頼するパターン
②ローカライズからLQAまで一貫して行う会社へ依頼するパターン

安く依頼を受ける翻訳会社へ依頼した場合は、①の方が見積上の費用は安くなることが多いです。

けれど翻訳そのものの品質に問題があったり、ゲームの世界観に合わなかったりする場合も少なくありません。その結果、修正などの手間が発生したり、自社担当者の負担・工数が増えたりして、結果的にコストが高くなるケースも多いです。

その点、②のパターンであれば翻訳の時点で一定以上の品質が期待でき、結果的に①よりもコストの節約になる可能性が高くなります。②のパターンであれば、①より自社担当者の負担も軽減可能です。

そのためローカライズを他社へ依頼する場合、LQAまで一貫して行える会社へ依頼することが推奨されます。

まとめ

ゲームのローカライズとは、ゲームを別の国でも遊べるようにするため、ゲームの世界観やゲームルールにあわせ言語を翻訳する作業です。ゲームの世界観やゲームルールに対する考慮が必要になるという点で、ローカライズはいわゆる翻訳作業とは一線を画します。

ローカライズは、他社へ依頼するケースも少なくありません。このとき、安い翻訳会社へ依頼すれば見積上の金額は安くすみます。

しかし実際には修正や指示の負担や手間によって工数が増えることから、結果的にコストが割高になる可能性が高いです。ローカライズを他社に依頼する場合、翻訳だけでなくその先の品質保証(LQA)まで行える会社を委託先に選ぶことが推奨されます。

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