AIQVE ONE 広報担当 藤沢です。
2024年3月7日、東京国際工科専門職大学にて弊社エンタメQA部の杉山が「ユーザーレビュー講義」を行いました!

杉山 博康 プロフィール

AIQVE ONE株式会社 エンタメQA部 第1セクションマネージャー
プランナーとしてゲーム業界に関わって30年弱。企画、制作進行、海外担当等を経て、ゲームメーカーにて品質管理部門を立ち上げ、以降はQAを中心に活動。直近ではユーザーレビューを担当し、数年間で300件ほどの評価業務を担当。現在はユーザーレビューサービス「FunQA」の責任者を担当。

講義内容

講義名「ユーザーレビューを通じてゲームの魅力的品質の重要性を学ぶ」

ということで、ユーザーレビューとは?という基礎的な学習から、実際にゲームをプレイして評価を発表するという実践的な授業を行いました。

ユーザーレビューとは?

ゲームのバグをゼロに近づけることは「デバッグ」と呼ばれるもので、ゲームの当たり前品質を保証するための仕事です。

一方で、ゲームの面白さがユーザーに伝わるように評価することを「ユーザーレビュー」と呼び、魅力的品質を保証するための仕事を指します。

ゲームの面白さがターゲットのユーザーに伝わるかどうか、アンケートやディスカッションを通して分析し、ユーザーが望んでいるものと乖離があれば軌道修正をすることで、リリース後の失敗を回避することができます。

講義では杉山が例題として架空のIPタイトルを挙げながら、なぜファンの望むものが提供できなかったのか、ゲームのジャンルに無理はなかったのか、などユーザーレビューの観点を提示していき、ゲームの開発初期からユーザーレビューが必要であることをお話しました。

個人評価

個人評価シート 記入例

ここからは実践ということで、実際にリリースされているスマホアプリのゲーム(IPタイトル)を講義の題材とし、各自でプレイしながらゲーム全体の評価をシートに記載していきました。また、表現やUIなど細かい項目について、具体的に良い評価の内容や、悪い評価の課題・改善案も記載していきます。

評価のコツとして、ゲームを遊び始めて最初に抱いた感情を大事にすることや、キャラクターデザインの好き嫌いを理由に主観的に評価しないことなど、アプローチの方法・心得をお伝えしました。

チーム評価

個人評価シートの内容をもとに、周りの意見を聞きながら議論を深めるためチームディスカッションを行いました。相手の意見を否定せず、重要な材料として考えながら、自分の意見も議論の材料として活用することを心得として、チームの評価をレポートにまとめていただきます。

レポート発表

最後に各チームからレポートにまとめた全体総括・各要素の評価が発表され、それぞれのプレイ前印象・ゲーム性・UIなどについて寸評を共有しました。

「原作ならではのゲーム体験がジャンルとしてバトル育成もので合っているのかを分析する。」「繰り返し遊びやすくするために、バトル・ストーリーシーンを早送りできるようにする。」「マネタイズするためにはキャラクター愛を軸にして、セリフや表情に変化を付ける。」など、改善の方向性を出し合うことで、どうやったらユーザーにとって面白いゲームになるのかを探っていきます。

レポートの書き方においても、ユーザー視点の客観的な内容を書くことが求められ、納得感のある評価の理由を書くことや、温度感が伝わるようにすることを心掛けながら各チームの発表が行われました。

今回の講義ではユーザーレビューに必要な心得を学び、ゲームの評価について周りと意見を交換しながら一つのレポートにまとめるという一連の流れを体験いただいたことで、ユーザーが求めるゲーム体験は一体どのようなものなのかを深く考えられる時間となりました。

今後、学生のみなさまがゲーム業界に進出したとき、今回のユーザーレビューの経験が活きることを期待しております。講義にご参加いただいた学生と先生のみなさま、貴重なお時間をいただき誠にありがとうございました!

おわりに

東京国際工科専門職大学の公式サイト「IPUT EYES」にも、本講義のレポート記事が公開されていますので、ぜひご一読ください!

「AIQVE ONE株式会社の杉山博康氏による、ゲームの定性レビューに関する特別講義・ワークショップを実施しました」

URL:https://www.iput.ac.jp/tokyo/eyes/17695/