最終更新日: 2020年10月7日
ソフトウェアテスト技術者資格制度を運営するJSTQBは、2020年6月25日、JSTQB認定テスト技術者資格 Foundation Level試験の学習のために使われる公式シラバスの最新版(Version 2018V3.1)を公開しました。ここでは、旧版シラバスからの主な変更点をまとめて解説しています。
【全体を通じて】大きな変更点はない
今回の更新では、シラバスの目的や構成をはじめとして、テストの受験に影響するような大きな変更点はありません。これまでのJSTQB認定テスト技術者資格 Foundation Level試験に関する試験勉強や知識が、無駄になるようなこともないのでご安心ください。
各章の変更点
以下、各章の主な変更点をピックアップして紹介します。誤記の修正や、分かりやすくするための表現の修正などは省いています。
「第1章:テストの基礎」の修正点
キーワードに「テストプロセス」が追加されました。
「第2章:ソフトウェア開発ライフサイクル全体を通してのテスト」の変更点
キーワードに「変更関連のテスト」が追加されました。また「2.1.2 状況に応じたソフトウェア開発ライフサイクルモデル」の項の最後に、ソフトウェア開発モデルに関する考慮事項の箇条書きが追加されました。
「第3章:静的テスト」の修正点
本章は、誤記修正やより分かりやすくすること目的とした修正などにとどまっています。
「第4章:テスト技法」の修正点
「4.2.4 状態遷移テスト」の項において、ガード条件に関する内容が削除されました。
「第5章:テストマネジメント」
「⽋陥レポート」がキーワードに追加されました。
「第6章:テスト支援ツール」
キーワードから「性能テストツール」が削除されました。また「6.1.1 テストツールの分類」にまとめられたツール数が26から13に削減されました。なお、この変更点については試験に影響する可能性がありますので、最新のシラバスを確認しておくことをおすすめします。
まとめ
今回のシラバス更新では、大きな変更点はありません。キーワードの追加・削除をはじめ、誤記の修正や分かりやすくすることを目的とした修正などにとどまっています。
ただし、「6.1.1 テストツールの分類」にまとめられているツールの内容が変わっている点は、唯一テストに影響する可能性もあります。気になる方は、本記事とあわせてリリースノート等を確認ください。
プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000054604.html
新Foundation Level シラバスおよびリリースノートのダウンロードURL(公式)
http://jstqb.jp/syllabus.html#syllabus_foundation
参考:「ソフトウェアテスト技術者資格認定の運営組織(JSTQB)、 Foundation Level シラバス Version 2018V3.1 を公開」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000054604.html

ソフトウェアテストに従事して約20年。 テストマネージャーとして、Webシステムやスマホアプリ、ゲーム等の様々なソフトウェアのテスト計画策定、テストチーム構築、テスト管理、品質分析および品質向上施策提案などに携わる。保有資格として、IVECハイレベル5やJSTQB AL TMなど。現在は、AIQVE ONE株式会社にて、ソフトウェアテストについての社員教育や、テストプロセス・テスト手法の仕組み化・標準化に取り組んでいる。
【著作】『ゲームをテストする バグのないゲームを支える知識と手法』(翔泳社)